「物を落とした時のスピードってどう計算するの?」その答えは、すべて重力加速度 g = 9.8 m/s² が握っています!
落下運動は「等加速度直線運動」の特別なケース。3つのパターンの違いをしっかり整理して、テストで確実に得点しましょう!
1. まず「重力加速度 g」を確認しよう
落下運動はすべて、重力加速度 g = 9.8 m/s²(問題によっては 9.8 ≒ 10 m/s² を使う)が一定にかかる等加速度直線運動です。
重力加速度の値
g = 9.8 m/s²
1秒ごとに速度が 9.8 m/s ずつ増加する。テストでは 10 m/s² と指定される場合も多い。
向きの決め方
下向きが正か負か
問題ごとに「下向きを正」か「上向きを正」か確認する。符号ミスが最大の落とし穴!
💡 落下問題の解き方の流れ
① 正の向きを決める(下向き or 上向き)
② わかっている値を整理する(v₀、g、t など)
③ 等加速度運動の公式(v = v₀ + at など)に代入する
② わかっている値を整理する(v₀、g、t など)
③ 等加速度運動の公式(v = v₀ + at など)に代入する
2. 自由落下:パッと手を離すだけ
初速度がゼロ(v₀ = 0)の状態で、静かに物を落とす運動です。下向きを正として考えます。
🔵 自由落下の公式(下向きを正)
v = gt
t 秒後の速度(下向き)
y = ½gt²
t 秒間に落ちた距離
📝 例題
小石を静かに手放した。2.0秒後の速さと、落下した距離は?(g = 9.8 m/s²)
1
速さ:v = gt = 9.8 × 2.0 = 19.6 m/s
2
落下距離:y = ½gt² = ½ × 9.8 × 2.0² = 19.6 m
速さ:19.6 m/s / 落下距離:19.6 m
💡 19.6 m/s を時速に換算すると?
19.6 × 3.6 ≒ 70.6 km/h。たった2秒で時速70km以上に達する計算です。重力の力強さが実感できます!
3. 鉛直投げ下ろし:勢いよく投げる
最初から下向きの速度(初速度 v₀)がついているパターンです。自由落下に「最初の勢い」をプラスするだけなので、考え方は同じです。
🟢 鉛直投げ下ろしの公式(下向きを正)
v = v₀ + gt
t 秒後の速度
y = v₀t + ½gt²
t 秒間に落ちた距離
📝 例題
初速度 5.0 m/s で真下に投げ下ろした。3.0秒後の速さと落下距離は?(g = 9.8 m/s²)
1
速さ:v = 5.0 + 9.8 × 3.0 = 5.0 + 29.4 = 34.4 m/s
2
落下距離:y = 5.0 × 3.0 + ½ × 9.8 × 3.0² = 15 + 44.1 = 59.1 m
速さ:34.4 m/s / 落下距離:59.1 m
4. 鉛直投げ上げ:上に投げて戻ってくる
ここが一番の難所です!上向きを正(プラス)として考えます。重力は常に下向きにかかるので、加速度は −g になります。
🔴 鉛直投げ上げの公式(上向きを正)
v = v₀ − gt
t 秒後の速度(上向きがプラス)
y = v₀t − ½gt²
t 秒後の高さ(スタート地点を基準)
⚠️ 符号のルール:上向きを正にした場合
初速度 v₀ → プラス(上向き)
加速度 a = −g → マイナス(重力は下向き)
公式の「−g」を「+g」に変えるミスが最も多い!必ず確認しよう。
加速度 a = −g → マイナス(重力は下向き)
公式の「−g」を「+g」に変えるミスが最も多い!必ず確認しよう。
テストに出る3つのポイント
① 最高点
速度 v = 0
一瞬止まるので速度がゼロになる。この条件から最高点の時刻・高さを求める。
② 元の位置に戻る
高さ y = 0
スタート地点に戻ったとき y = 0 になる。この条件から戻るまでの時間を求める。
③ 対称性
行き=帰り
同じ高さを通るときの速さは同じ(向きは逆)。時間も上りと下りで等しい。
鉛直投げ上げの v-t グラフ(上向きを正)
📝 例題
初速度 19.6 m/s で真上に投げた。① 最高点の高さは?② 元の位置に戻るまでの時間は?(g = 9.8 m/s²)
①
最高点では v = 0 なので、0 = 19.6 − 9.8t → t = 2.0 s
高さ:y = 19.6 × 2.0 − ½ × 9.8 × 2.0² = 39.2 − 19.6 = 19.6 m
高さ:y = 19.6 × 2.0 − ½ × 9.8 × 2.0² = 39.2 − 19.6 = 19.6 m
②
元の位置(y = 0)に戻るとき:0 = 19.6t − ½ × 9.8t²
t(19.6 − 4.9t) = 0 → t = 0 または t = 4.0 s
(対称性より:上り 2.0秒 + 下り 2.0秒 = 4.0秒)
t(19.6 − 4.9t) = 0 → t = 0 または t = 4.0 s
(対称性より:上り 2.0秒 + 下り 2.0秒 = 4.0秒)
① 最高点の高さ:19.6 m ② 戻るまでの時間:4.0 s
📘 発展:水平投射について
「横に投げたのに下に落ちる」水平投射は、横方向(等速直線運動)と縦方向(自由落下)を分けて考えます。これは「物理」(発展)の内容になるため、別の記事で詳しく解説します。
まとめ:3パターンの比較表
自由落下
v₀ = 0、下向き正
v = gt
y = ½gt²
y = ½gt²
鉛直投げ下ろし
v₀ あり、下向き正
v = v₀ + gt
y = v₀t + ½gt²
y = v₀t + ½gt²
鉛直投げ上げ
v₀ あり、上向き正
v = v₀ − gt
y = v₀t − ½gt²
y = v₀t − ½gt²
- 01落下運動はすべて等加速度直線運動。加速度の大きさは g = 9.8 m/s²。
- 02「下向きを正」か「上向きを正」かを最初に決めると符号ミスが防げる。
- 03投げ上げの最高点では v = 0、元の位置に戻ったとき y = 0。
- 04投げ上げは上りと下りが対称——同じ高さを通るときの速さは同じ。

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