「力って目に見えないから難しい…」と思っていませんか?実は、物理での「力」は矢印を描くだけで、誰でも計算できるようになります!
今回は、テストに絶対出る「力の3要素」から、少しややこしい「3力のつり合い」までをスッキリ解説します。図を描く習慣が身につくと、力学の問題はグンと解きやすくなりますよ!
1. 力の3要素:矢印で力を表す
力がはたらいているかどうかは、次の2つを見ればわかります。
変形している
クッションがへこむ・ばねが伸びる・タイヤがつぶれるなど
動きが変わる
止まっていたものが動く・スピードが変わる・向きが変わるなど
この力を図で表すとき、欠かせないのが「力の3要素」です。
① 大きさ
矢印の長さ
単位はN(ニュートン)。リンゴ1個(約100g)を支える力 ≒ 1N
② 向き
矢印の向き
上・下・斜めなど、力がはたらく方向
③ 作用点
矢印の起点
力がはたらき始める点。矢印はここから描く
2. 物理でよく登場する力の種類
物理の問題に登場する「レギュラーメンバー」をまとめました。
重力 mg
地球が物体を中心(下)へ引く力。
大きさ = 質量 × 重力加速度
大きさ = 質量 × 重力加速度
垂直抗力 N
面が物体を面に垂直な方向に押し返す力。床の上の物体は必ずこれがある。
張力 T
糸がピンと張って引く力。糸の向きに沿って作用点(つながった点)に向かう。
弾性力(フックの法則)
ばねが元に戻ろうとする力。
F = kx(k:ばね定数、x:伸び縮み)
F = kx(k:ばね定数、x:伸び縮み)
📝 ミニ問題:ばねの計算
ばね定数 300 N/m のばねを 1.0 cm 伸ばすのに必要な力は?
1
単位を m に直す:1.0 cm = 0.010 m
2
F = kx に代入:F = 300 × 0.010 = 3.0 N
答え:3.0 N
💡 単位の「m 直し」が最大のコツ
ばね定数の単位が N/m なので、伸びは必ず「メートル」で代入します。cm のまま計算すると答えが100倍ズレます!
3. 力の合成:2つの力を1つにまとめる
複数の力を1つの力(合力)にまとめることを合成といいます。
力の合成:平行四辺形の法則
💡 同じ向きなら足し算、逆向きなら引き算
2つの力が同一直線上にある場合は、同じ向きなら足し算、逆向きなら引き算するだけです。斜めのときに平行四辺形の法則を使います。
4. 力の分解:斜めの力を縦と横に分ける
斜めにかかる力を「x方向(横)」と「y方向(縦)」の2つに分けることを分解といいます。角度 θ を使うと次のように表せます。
力の分解(角度 θ の場合)
📐 力の分解の公式
Fx = F cosθ (横成分)
x軸方向(水平)の成分。「横はコサイン」
Fy = F sinθ (縦成分)
y軸方向(鉛直)の成分。「縦はサイン」
💡 なぜ横はcos、縦はsinなの?
角度 θ は水平方向(x軸)からの角度です。直角三角形で、底辺(水平方向)は斜辺 × cosθ、高さ(垂直方向)は斜辺 × sinθ になります。グラフを見ながら三角比の定義を思い出すと納得できます!
5. 力のつり合い:動かないのはなぜ?
物体が静止しているとき、その物体にはたらくすべての力はつり合っています。これは「合力がゼロ」であることを意味します。
⚖️ つり合いの条件
x方向の力の合計 = 0
y方向の力の合計 = 0
2つの式をたてれば、未知の力が2つまで求められる
📝 例題:2本の糸でつるされたおもり
重さ 2.0 N のおもりを、壁と天井から伸びる2本の糸でつるした。糸Aは水平から 60°、糸Bは鉛直。それぞれの張力を求めよ。
1
おもりにはたらく力を整理:
・重力 2.0 N(下向き)
・糸Aの張力 TA(斜め左上、水平から60°)
・糸Bの張力 TB(真上)
・重力 2.0 N(下向き)
・糸Aの張力 TA(斜め左上、水平から60°)
・糸Bの張力 TB(真上)
2
y方向のつり合い式:
TA sin60° + TB − 2.0 = 0
TA sin60° + TB − 2.0 = 0
3
x方向のつり合い式(水平成分):
TA cos60° = 0 → TA cos60° の水平成分が0になるよう壁が支える
※この問題では糸Bが鉛直なので TB = 2.0 N、TA は x 方向の壁の反力とつり合う
TA cos60° = 0 → TA cos60° の水平成分が0になるよう壁が支える
※この問題では糸Bが鉛直なので TB = 2.0 N、TA は x 方向の壁の反力とつり合う
💡 解き方のコツ
「x方向とy方向に分けてそれぞれ合計ゼロ」の2本の式を立てることが、3力つり合いの定石です。未知数が2つあっても、2本の式で必ず解けます。
⚠️ 「つり合い」と「作用・反作用」を混同しない!
つり合い:1つの物体にかかる複数の力が打ち消し合っている
作用・反作用:2つの物体の間で力が互いにはたらき合っている
見分け方:注目する物体が「1つか?2つか?」で判断しよう。
作用・反作用:2つの物体の間で力が互いにはたらき合っている
見分け方:注目する物体が「1つか?2つか?」で判断しよう。
まとめ:今回のポイント
- 01力は「大きさ・向き・作用点」の3要素を矢印で表す。
- 02ばねの力は F = kx。伸びは必ず「メートル」で代入する。
- 03斜めの力は「Fx = F cosθ(横)」「Fy = F sinθ(縦)」に分解する。
- 04つり合いの条件:x方向とy方向それぞれで「力の合計 = 0」の式を立てる。
- 05つり合い(1つの物体)と作用・反作用(2つの物体)は別物。

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