「速さが2倍になると、エネルギーは何倍になる?」「高い場所に置いた物体のエネルギーは、基準をどこにとればよい?」——これらはすべて、エネルギーの公式を理解すれば一発で解けます。
今回は運動エネルギー・重力の位置エネルギー・弾性エネルギーの3つを、公式の導き方から計算の使い方まで丁寧に解説します!
1. 運動エネルギー:速さの「2乗」に比例する!
動いている物体が持つエネルギーを運動エネルギー K といいます。
速さを2倍にすると
エネルギーは4倍!
速さ v が2倍 → v² は 2² = 4倍。速度を上げると急激にエネルギーが増える。
質量を2倍にすると
エネルギーは2倍
質量 m が2倍 → エネルギーもちょうど2倍になる(比例)。
🔵 運動エネルギーの公式
K = (1/2)mv²
K:運動エネルギー [J] m:質量 [kg] v:速さ [m/s]
質量に比例し、速さの2乗に比例する
質量に比例し、速さの2乗に比例する
⚠️ 速さが2倍 → エネルギーは4倍!スピードの怖さ
時速60 km の車と時速30 km の車では、速さが2倍なのにエネルギーは4倍。制動距離も約4倍になります。スピードを出しすぎることが危険な理由が物理で証明されます。
📝 例題①
運動エネルギーを求める
質量 2.0 kg の物体が 6.0 m/s で運動している。運動エネルギーは?
1
K = (1/2)mv² = (1/2) × 2.0 × 6.0² = 36 J
答え:36 J
2. 仕事とエネルギーの定理
物体にした仕事は、その物体の運動エネルギーの変化量に等しくなります。これを仕事とエネルギーの定理といいます。
⭐ 仕事とエネルギーの定理
W = (1/2)mv² − (1/2)mv₀²
W:物体にした仕事 v₀:はじめの速さ v:あとの速さ
「した仕事 = 運動エネルギーの増加量」
「した仕事 = 運動エネルギーの増加量」
💡 途中の力がわからなくても解ける!
最初と最後の速ささえわかれば仕事が求められます。摩擦力の大きさを逆算するときなどに威力を発揮します。
📝 例題②
仕事とエネルギーの定理を使う
1.0 m/s で動いている質量 4.0 kg の物体に仕事をしたら、速さが 2.0 m/s になった。加えた仕事は何 J?
1
はじめの運動エネルギー:(1/2) × 4.0 × 1.0² = 2.0 J
2
あとの運動エネルギー:(1/2) × 4.0 × 2.0² = 8.0 J
3
仕事 = エネルギーの増加量:W = 8.0 − 2.0 = 6.0 J
答え:6.0 J
3. 重力による位置エネルギー
高い場所にある物体が、落下することで仕事をする能力を重力による位置エネルギーといいます。
🟢 重力による位置エネルギーの公式
U = mgh
m:質量 [kg] g:重力加速度 [m/s²] h:基準面からの高さ [m]
基準面(h = 0)はどこでも自由に決めてよい
基準面(h = 0)はどこでも自由に決めてよい
💡 基準面はどこでも自由!でも「差」は変わらない
基準面を変えても2点間のエネルギーの「差」は同じです。問題で指定があれば従い、なければ計算しやすい場所を選んでOK。
📝 例題③
基準面を変えると?
床の上にある高さ 1.0 m の机の上に、質量 5.0 kg の物体が置いてある。⑴ 床、⑵ 机を基準面にしたときの位置エネルギーをそれぞれ求めよ。(g = 9.8 m/s²)
⑴
床を基準(h = 1.0 m):U = 5.0 × 9.8 × 1.0 = 49 J
⑵
机を基準(h = 0 m):U = 5.0 × 9.8 × 0 = 0 J
⑴ 49 J ⑵ 0 J
4. 弾性エネルギー:バネのパワー
伸びたり縮んだりしたバネが、元に戻ろうとして仕事をする能力を弾性エネルギーといいます。
🔴 弾性エネルギーの公式
U = (1/2)kx²
k:ばね定数 [N/m] x:自然長からの伸び・縮み [m]
伸びが2倍になるとエネルギーは4倍になる(x² に比例)
伸びが2倍になるとエネルギーは4倍になる(x² に比例)
💡 伸びが2倍 → エネルギーは4倍
弓矢を大きく引くほど矢が速く飛ぶのはこのためです。x は必ずメートルで代入しましょう。
📝 例題④
弾性エネルギーを求める
ばね定数 200 N/m のバネを 0.10 m 縮めた。蓄えられた弾性エネルギーは?
1
U = (1/2)kx² = (1/2) × 200 × 0.10² = 1.0 J
答え:1.0 J
まとめ:エネルギー3兄弟
| 種類 | 公式 | 特徴 |
|---|---|---|
| 運動エネルギー | (1/2)mv² | 速さの2乗に比例。速度2倍でエネルギー4倍。 |
| 重力の位置エネルギー | mgh | 高さに比例。基準面はどこでも自由。 |
| 弾性エネルギー | (1/2)kx² | 伸び・縮みの2乗に比例。 |
- 01運動エネルギー K = (1/2)mv²。速さが2倍になると4倍になる。
- 02仕事とエネルギーの定理:W = (1/2)mv² − (1/2)mv₀²(した仕事 = エネルギーの変化量)。
- 03重力の位置エネルギー U = mgh。基準面は自由に設定してよい。
- 04弾性エネルギー U = (1/2)kx²。伸びが2倍になると4倍になる。


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